- 海外就職したものの退職することになった
- 円満に退職したい
現地の会社を退職したい!
現地採用としてマレーシアで働いてみたものの、仕事内容や職場環境に慣れず、1年未満で退職する方は少なくありません。
しかしながら日本と違い、残念ながら「退職届」を提出するだけでは退職の手続きが完結しません。
今回は現地の会社を円満に退職のプロセスについてご紹介します。
円満退職のための注意点

上司だけに相談する
退職の事実を表沙汰にしたくない(隠し通したい)場合は、上司だけに退職する旨を伝えましょう。
同僚にポロッと話してしまうと、数日で職場の人間全員に話が広がってしまいます。
また、人事(HR)に直接「退職したいです!」と言ってもおそらく取り合ってもらえません。
なぜなら退職時の手続きには上司の承認が必須であり、上司の承認なしでは退職の処理ができないからです。
具体的には、紙の書類であれば上司のサインが必要ですし、紙ではなくPC(クラウド)上で申請する場合では上司の承認がなければ退職の手続きが進みません。
退職する場合は必ず上司に話をしましょう。
「退職します!」とはっきり伝える
上司に退職することを伝える時は、「会社を辞めようか考えています」ではなく「退職します」とハッキリ伝えましょう。
「退職を検討中」と話してしまうと、特に人手不足の職場ではほぼ100%引き止められます。
また退職の理由によっては同じように引き止めにあってしまいます。
例えば、「クレームの対応が辛いから」という理由だった場合、「じゃあクレームの対応をしなければ退職しなくて済むの?」と言われてしまいます。
なので、誰が聞いても退職を引き止められない理由を伝えましょう。

実際に筆者は「リーダーへの昇格(=給料アップ)」を条件に退職を先延ばしたのですが、結局昇格しませんでした。
退職日まで仕事をやり遂げる
例えば病気・怪我、家族の介護等で、どうしても日本に帰らなければならない理由を除いて、個人的には円満退職は難しいと考えています。
海外就職に限らず、現職に何かしら不満があり、仕事を続けられないから退職を選択するわけです。
とはいえ、「波風を立てずに穏便に」退職することは海外でも非常に重要です。
場合によっては職務放棄とみなされ、就労ビザのキャンセル手続きが上手くいかなかったり、最悪の場合解雇される可能性があります。
マレーシアでの退職フロー

退職届の提出
上司と話が終わり、退職することになったら退職届を提出します。
紙なのか、規定のフォーマットがあるのか、はたまたクラウド申請なのか、わからなければHRに退職フローを確認しましょう。
会社の規定のフォーマットがない場合は、Google等で「Resignation Letter」と検索するとフォーマット例がいろいろ出てくるので、参考にしてください。
そして退職の文章を紙に書いてHRに提出しましょう。
最終出勤日や年休の確認
年休が残っている場合は、残りの年休を確認し、上司と最終出勤日を決定します。
税務署に書類を提出する
HASiL(ハジル)はマレーシアの税務署のことを指します。
HASiLで確定申告(Tax Clearance)を行わないと、空港の出国手続きで引っかかります。
必ず手続きしましょう。
PCB、EA Form等、必要な書類は会社で用意してくれますので、書類一式が揃ったらHASiLに行って確定申告をします。
確定申告の完了までは書類提出から1週間〜1ヶ月程度かかりますので、書類が揃い次第、早めに対応しましょう。
コロナの影響でオンラインでも受け付けている場合は、最新の情報を確認して書類を提出しましょう。
ビザキャンセル手続きをする
マレーシアの会社を退職する時には就労ビザをキャンセルする必要があります。
HRにパスポートを渡し、1週間ほどで手続きは完了します。
退職時に会社から就労ビザキャンセルについて連絡があると思いますが、もし何も言われない場合は必ずHRに確認しましょう。
ビザのキャンセル手続きをせずにマレーシアを出国すると、会社からPolice Report(ポリスレポート)が出されてしまい、将来的にマレーシアに入国ができなくなる可能性があります。
1つの会社につき就労ビザを発行できる数に限りがあるため、雇っていない人の就労ビザをそのままにしていると、会社は新規で人を雇うことができません。
退職者本人が既に出国してしまっていると、パスポートに貼ってある就労ビザをキャンセルできないため、会社は仕方なくPolice Reportを提出し、強制的に退職者の就労ビザをキャンセルします。
航空券を購入、出国
航空券の購入時期は非常に難しいのですが、確実なのは確定申告の完了通知を受け取り、就労ビザのキャンセルが完了した後だと思います。
退職日を過ぎた後、あまりにも長く就労ビザで滞在していると不法滞在とみなされてしまうので、退職日から1〜2ヶ月以内にマレーシアを出国できるように航空券を購入しましょう。
まとめ
いかがでしたか?
飛ぶ鳥跡を濁さなければ、会社は問題なく退職手続きをしてくれます。
ただ、確定申告に必要な書類が揃わなかったり、パスポートが戻ってこない等あれば、催促は必要です。
退職について進捗を確認したい場合は、「早くしろ!!!」ではなく、やんわりと「いつ頃対応いただけますか?」と聞くようにしましょう。